地域の風景を見直そう 同感

同感 「このブログ」に対する考え方は次の記事と同じです。

  足元を観れば、探しているものはそこにある。地域を問い直そう。

平成22年11月7日読売新聞 杜の回覧板の記事

地域の風景見直そう

 9月に車で北海道を1周した。時計回りに名だたる観光名所を回ったが、ガイドブックには載っていない室蘭市の製油所の夜景が印象深かった。

 製油所には約1万3000個の保安灯がともり、複雑に組み合わせられた配管や煙突が、闇夜に浮かび上がっていた。近未来の城を思わせる幻想的な風景に見入った。

 工場群の景観を見て楽しむ「工場萌(も)え」が最近ブームになっている。工場は公害問題でマイナスイメージもあるが、機能のみを追求した構造が、武骨で迫力があるというのが人気の理由とか。テレビの特集を見た際、室蘭の夜景を思い出し、うなずいた。

 北九州市や三重県四日市市では、工場群を新たな観光資源として売り出し始めている。室蘭市も同様で、今年5月から同市の内航運送会社がナイトクルージングを始めた。

 工場が観光名所になりうることは意外な発見だった。来月には東北新幹線が新青森駅まで延伸され、東北6県では観光振興により力を入れている。松島や平泉といった知名度の高い観光名所だけが売り出すポイントではないはずだ。

 仙台港の工場群の夜景も一部では知られている。かつて勤務した気仙沼市の安波山から見た内湾の夜景や、徳仙丈山のツツジも忘れがたい。

 風景ばかりでない。ちょっとした出会いやおもてなしが、意外と思い出に残る。地域の文化や風景を改めて見つめ直すと、様々な発見がある。

(秋山洋成)

2010年11月7日  読売新聞)

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